7/2にバルバラさんとクライン4兄弟の公式キャラデザが公開されたので、それに関してツイッターで呟いたことの移植↓

やっぱり公式キャラデザさん絵がうまいし、ファッションに対する解像度がバリバリに高いし、一目でタイピンが不釣り合いだと理解させてくるのスゴイ

あのね、映画やドラマのスタイリストさんってただ画面映えするオシャレな服を選ぶのでなく、登場人物の性格や心情や状況を踏まえ、ファッション小物ひとつひとつが色/素材/形からどんな印象を与えるのか、計算の上で服を選ばれるのね。
MRのキャラデザはそういう知識のある人の仕事だと感じるんですよ。
例えばカーディガンなら、色はもちろん、丈が腰か股下か膝までか、ハイゲージかローゲージか、毛糸の厚み、ツヤ、ボタンをどの位置で留めるのか。 この違いで全部印象が異なるのね。

クライン4兄弟なんですけどミッテルのタイピンとスイミーのストール+タイ無し以外一緒じゃないですか。
その上で彼らの顔を隠しても性格の違いがすぐにわかるのすごくないですか 。
服の色から与える色彩心理について知識が深くてめちゃくちゃ巧みに使われてらっしゃるなって。

例えばミッテルは派手好き・ジミーは真面目実直って一目で感じるじゃないですか 。
彩度の落とした色のジミーとミッキーだと、どちらも真面目系には見えるけれど、ジミーは仕事相手との飲み会も滅多に行かずに一人で黙々仕事しそうだけど、ミッキーは仕事上のこなしてそう。
遊び回ってそうな印象を与えるスイミーとミッテルだと、スイミーは時に駆け回ったりゲームをして遊んでそうな自由人で、ミッテルは現代ならインスタ映えとか狙ってそうなタイプ。
まあ性格は私の想像ですが、こうした性格的な印象の違いを与えてるのって色の与える影響なんですよね。

イラスト講座でもよく言われる配色の基本って70:25:5で3色が基本なんです。
それを踏まえた上でクライン4兄弟をよく見てほしいんですけども、ズボンとジャケットとシャツの色の面積の割合がほぼ近い上に、ミッテルに至ってはタイピンを除いても7色使ってますからね。
似た面積のズボン・ジャケット・シャツでも、色を入れ替えちゃうと印象が変わっちゃうんですよ 例えばジミーのズボンとジャケットの色を入れ替えると真面目実直っぽさが薄れるんです。
黒いと重たく見え、明度の高い色だと軽そうに見える。そんな色の重さにおいて下が重く上が軽いと安定感を与えます。
外側の色が濃く内側が薄いと守りの印象を、逆だと外へと向かう開放的な印象を与えます。
色相の差が近いと落ち着いた印象に、色相差が離れていると派手な印象を与えます。
ジミーが真面目実直な印象を与えるのはこの為です。
スイミーとミッテルはその逆を行ってるので、改めて見比べていただけると幸い。

色相とトーンのそれぞれに与える印象もあるのですが、そこはこちらのサイトがとてもわかり易くまとめられてます。

 →acky.info「色相環とトーンの表を使って色の意味をデザインに生かそう」

イラストだと見た目良ければ全て良しなので丈とか無視しても問題ないしいっそ3次元化が難しくても良かったりもしますが、 MRはカートゥーンなのに服小物の丈感サイズ感厚みをデフォルメの上でもしっかり残されてくのすごすぎるんですよ。

MRキャラデザとファッションに関しては他にも語りたいこと山ほどあるんですけど、またの機会に。
本当はコミカライズ発表された時に刀剣乱舞偽実況でMRの素晴らしさを紹介する動画を作ろうとしたんですけど、キャラデザとファッションに関して延々と語りすぎてしまって収集がつかなくて現在放置状態にしてしまってるんですよね……。
長々語ってるくせにファッションに関しても色に関してもまだまだ浅学ですし。

でも本当キャラデザさんのお仕事が素晴らしすぎるのでこの方にもっとお仕事が回ってほしい。

ところでクライン4兄弟の公式絵ですけどあれスチルの塗りで、ジミーとミッテルの画面右の肩の部分の欠け方とフチ部分であろう線が残ってるあたり、この二人が画面右側に立ったスチルだったのかなと。
闇鍋テルミン先生も本来この事件で登場するも未登場にさせたキャラがいたそうで、結構作られてるのに製品版から外れてしまったシナリオが他にもあって、キャラクターもPV以外にも沢山いたんだろうなって……。番外編として売ってほしかった……。
MRの立ち絵はキャラクターの仕草と表情も秀逸なので、ミッテルの立ち絵も見たかったなぁ。